「残炎の候」の時期はいつからいつまで?読み方と意味・例文も!

真夏のプール

夏から秋にかけて使う時候の挨拶に「残炎の候」という言葉があります。

漢字だけ見るといかにも夏!という雰囲気がある表現方法ですが、どんな意味合いがあるのでしょうか。読み方も難しそうですよね。

そんな本日は「残炎の候」を使う時期はいつからいつまでなのか、そして読み方と意味、例文を詳しく解説したいと思います。

「残炎の候」の時期はいつからいつまで?

まずはじめに「残炎の候」を使う時期はいつからいつまでなのでしょうか。

現代のビジネスシーンや儀礼など、かしこまってあいさつをしたり、書面を送り合ったりする際に、重んじられ欠かせない表現の一つが「時候の言葉」です。

四季や自然の移ろいが大変豊かな日本では、生活や健康、命に直結する大事な問題として、古来から人々は気候のことを特に気にかけ、あいさつなどの上でも必ず口にしてきました。

これは現代社会でも受け継がれ、今現在の季節や気候のことを話題にして、相手の健康などを気遣う表現として、四季折々の時候の言葉が一種の「社交上のマナー」として重要視されています。

その中で、今回ご紹介する「残炎の候」という語句は、秋に用いる時候のあいさつ用語だといえます。

「四季」とは、一年を「春夏秋冬」とおおまかに四つに分けたそれぞれの季節のことです。

単純に四等分するとするとそれぞれが三カ月ごとに移り変わることになります。

ちなみに気象庁の天気予報における四季では、夏は六~八月、秋は九~十一月のそれぞれ三カ月間を示すそうです。

しかし季語や時候の言葉の世界では、いわゆる旧暦(陰暦)が基準になっているため、夏は「五~七月」、秋は「八~十月」と約一カ月ほどのズレがあります。

さて、一般に季語や時候の言葉における秋は、「初秋」、「仲秋」、「晩秋」の三つの期間に分けられます。

このうち「残炎の候」という言葉は初秋の時期に用いられることが通例です。

初秋とは、具体的には二十四節気における立秋(八月七日ごろ)から白露(九月八日ごろ)の前日まで、とされています。

すなわち「残炎の候」という語句は、おおむね八月初旬から九月初旬にかけて、かしこまった手紙や口頭などで、時候のあいさつとして使われる用語の一つだといえます。

「残炎の候」の読み方と意味・使い方は?

次に「残炎の候」の読み方と意味、使い方を見ていきましょう。

「残炎の候」という語句の読み方は「ざんえんのこう」となります。

前述のように、この言葉は「初秋」に用いられる時候のあいさつ用語です。

「残炎の候」という語句は、「残炎」と「候」という名詞を接続した形で構成されています。

「残炎」の「残」という漢字は、成り立ちをさかのぼるとちょっとむごたらしい由来があります。

これは元来は「肉を削りとられた人の白骨死体」と「矛を重ねて切り込んで、ずたずたにする」といった様子を示す象形文字を重ねたものです。

ここから「残」は「そこなう」、「むごい」、「滅ぼす」といった意味になったそうです。

「ずたずたに切られた肉がわずかにある」といった様子から、「残る」、「全部はなくならず、わずかに一部分だけまだある」といった状況も示すようになったとされます。

一方「残炎」の「炎」は、文字通りに「火」が上下に重なった形であり、「火が燃え上がる」、「めらめらと燃えさかるほのお」といった様を表します。

転じて「気温や温度が高く、大変暑い(熱い)」といったことも示します。

このように「残炎」とは、そのままの意味では「燃え残っている炎」ということですが、時候のあいさつにおいては「秋になってもなお、残っている暑さ」を表すといえます。

そして「候」とは「今この時、最近の日々」といった期間を表すもので、かつては女性特有に用いられた柔らかな類語としては「みぎり」といった言い換え方もありました。

このように「残炎の候」は、「季節としては秋に入ってきたものの、依然夏の暑さが残っている今日このごろですが」といった意味を示し、後に続くあいさつの導入部を担う定型的な時候の言葉だといえます。

類語として、見舞い状で今でも一般的によく使われる「残暑」とほぼ同じ意味だと考えてよいでしょう。

「残炎の候」の例文を教えて?

最後に「残炎の候」の例文をご紹介します。

例文

「残炎の候」の例文としては、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 謹啓 残炎の候、いよいよご壮健の由、大慶に存じ上げます。
  • 残炎の候、暦の上の秋とは名ばかりの暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
  • 残炎の候、今年は厳しい暑さが九月に入っても長引いております。皆様にはなにとぞご自愛くださいますよう、お祈りいたします。

なお「謹啓」、「拝啓」などの頭語で始めた文章は、「敬具」などの結語でまとめるのがマナーですので、ご注意ください。

まとめ

どうでしたでしょうか。

「残炎の候」を使う時期はいつからいつまでなのか、そして読み方と意味、例文を詳しくご紹介しました。

上記でもご紹介したとおり「残暑」とほぼ同等の使い方をするので、使う場面によって使い分ければいいと思いますよ。

夏に使う時候の挨拶はその他にもたくさんあるのでしっかりと覚えておきましょう!