「うろ覚え」と「うる覚え」どっちが正しい?意味と使い方を解説!

記憶を思い出す女性

なんとなく物事を覚えている様子を表す言葉に「うろ覚え」という表現方法があります。

あれ?でも「うろ覚え」「うる覚え」だったかな?と言葉自体を忘れてしまったなんて経験ありませんか?

そこで「うろ覚え」と「うる覚え」どちらが正しいのか、そして意味と使い方を詳しく解説したいと思います。

「うろ覚え」と「うる覚え」どっちが正しい?

日本語の表現には、発音やイメージが似たような言葉が多くあり、しばしば混同したり誤用したりする原因になります。

今回ご紹介する「うろ覚え」と「うる覚え」も、多くの方にとって使い分けに悩む言い方の一つではないでしょうか。

まず結論から申し上げれば、多くの国語辞書によると、この言葉は「うろ覚え」が正しく、「うる覚え」は間違いとされています。

パソコンなどで言葉を入力すると、辞書ソフトによっては誤用を訂正してくれる機能がありますが、「うる覚え」と打ち込んで変換キーを押すと「うろ覚えの誤り」と表示される場合があります。

「うろ覚え」の意味や使い方は次項でご説明したいと思いますが、それではなぜ「うる覚え」では間違いなのでしょうか。

「うろ覚え」の「うろ」とは、漢字では「虚」、「空」、「洞」などと表記されます。

これはすなわち「中が空洞になっている」といった状態を表す言葉です。

また一説には、漢語から由来するといわれる古い言い方の「胡乱(うろん)」が語源とする見方もあるようです。

江戸時代初期の俳人・浮世草子作者である井原西鶴の俳諧集「西鶴大矢数」の中に、「出家の身なれば それから其もと 胡乱覚え 釈迦一代の物語」という句があります。

「胡乱」とは「怪しい、疑わしい」、「不確実であやふやだ」といった意味で、夏目漱石の小説「吾輩は猫である」にもしばしば見えます。

この「胡乱覚え」が「うろ覚え」に転じたという説もあるようです。

「うろ覚え」はローマ字表記にすると「uro oboe」となり、「ろ・お」と「o」の子音が重なるため、日本語の発音上はやや言いにくく「うろーぼえ」となりがちです。

このため口語上発音しやすい「る・お」の「うる覚え」に変化したという説や、平仮名表記で「ろ」と「る」が似ているため混同された、といった理由も、誤用が多くなった要因の一つとされているようです。

また地域によっても「うり覚え」などと、さまざまな言い方が慣例化していますが、国語の上では「うろ覚え」が正しい言葉遣いとなります。

「うろ覚え」の意味と使い方を教えて?

「うろ覚え」という言葉は名詞で、「うろ」という接頭語と「覚え」から成り立っています。

「うろ」は前述したように「虚」や「空」という字をあてますが、「中身がカラ」、つまり「あいまいで、不確かだ」といった意味を示します。

「覚え」は「おぼえ」と読み、「覚える」の名詞形です。

これは「記憶すること」、「昔経験したこと」、「思い当たる事柄」、「経験豊富で自信があること」といった意味合いです。

「覚えがめでたい」といったように「かわいがられること」といった用法もあります。

こうした「覚え」が「うろ」な状態が「うろ覚え」ですので、「うろ覚え」「はっきりしない、確かではない記憶」、「あいまいでぼんやり覚えていること」という意味を示します。

類語には「空覚え(そらおぼえ)」という言葉があります。

「そら」という名詞には「はっきりしない、心が他のことに奪われる、ぼんやり推量する」といった意味があり、この場合は「うろ覚え」と同じ意味になります。

ただ「そら」には「すっかり暗記する」といった意味合いもありますので、「空覚え」は「うろ覚え」と逆の「メモを見なくても言えるほど完璧に覚えること」という使われ方の場合もあります。

「うろ覚え」はこのように、他人から何かを尋ねられたり、知識を問われたときなどに、記憶があいまいではっきりと答えられない際に「これは、うろ覚えなのですが~」と使うのが通例です。

つまり、回答についての自信のなさを恐縮して、あらかじめ付言したり、「間違っているかもしれないが、自分が覚えている限りではこうです」と前提条件を付ける場合に用いる言い方だといえます。

例文

「うろ覚え」の例文としては、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • うろ覚えで申し訳ないのですが、確かあの方は○○町のご出身だったと聞いた記憶があります。
  • うろ覚えだから、もし間違っていたらすまないが、こっちの方角で正しいんじゃないだろうか。
  • 私もうろ覚えなんですが、お店の名は山田屋とか山本屋とか、山という字で始まっていた気がします。

まとめ

「うろ覚え」と「うる覚え」どちらが正しいのか、そして意味と使い方について詳しくご紹介しました。

正しくは「うろ覚え」が正解でしたね。

似たような表現方法は世の中にたくさんあるのでしっかりと覚えておくと良いでしょう。