「秋涼の候」の意味と使い方!時期はいつからいつまで使える?

秋の景色

「秋涼の候」という時候の挨拶がありますが見聞きしたことがありますか?

「秋涼」という漢字を見るとどの時期に使うのか、どんな意味合いを持った言葉なのかなんとなく想像がつきそうです。

そんな本日は「秋涼の候」の意味と使い方、そして使える時期はいつからいつまでなのでしょうか、詳しく解説したいと思います。

「秋涼の候」の意味は?

季節や天候、暮らしの習俗などを表すさまざまな時候のあいさつ用語のの中で「秋涼の候」をご紹介しましょう。

「秋涼の候」は、漢語の言葉の連なりですので「しゅうりょうのこう」と読みます。

「秋涼」という言葉の「秋」という漢字は、元来は「秋」と「亀」から成り立っていたとされます。

現代でも「穐」という旧字体に名残があるようです。

これは「稲」と「燃え立つ火」、「動物の亀」をそれぞれ意味しました。

古代社会では亀の甲羅は占いに利用され、この字は「甲羅に火を付けて占う」ことを示したとされます。

この占い用の亀を捕まえる時期や、稲の収穫時期が「秋」だったことから、この字が季節の秋を意味するようになったようです。

一方の「涼」という字は、「流れる水」を示すさんずいと「京」から成り立っています。

この字の発音「リョウ」が「良」に通じることから、「涼」は「よい水」との意味になり、転じて「すずしい」、「気温や水温が快適な」といった意味合いになったとされます。

このように「秋涼」は「季節が秋になって、すずしさを感じる時期」や、「秋のすずしい風」、「秋の初め頃に感じるすずしさ、さわやかさ」を表す言葉だといえます。

そして「秋涼の候」は、「季節が秋に変わり、夏の暑さは消え、すずしい空気を感じるころとなりました」といった意味を示し、挨拶状などの冒頭で、時候の様子を表現する際の定型的な言い方として使われます。

「秋涼の候」の使い方は?

次に「秋涼の候」の正しい使い方を見ていきましょう。

前述のように「秋涼の候」は、「秋の訪れとともに、涼しい風を感じるころ」といった意味合いですので、主としては初秋のころに、ようやく気温などが落ち着き秋めいてきた時期に使うのが一般的です。

ただ暦の上での初秋は「立秋から白露前まで」と、実際の私たちの暮らしの上ではまだ残暑が厳しい時期でもあります。

このため「秋涼の候」を使う際はあまり暦上のルールに縛られず、肌に感じる季節感を大切にして、九月後半から十月前半の「秋らしくなった」時期に用いる方が、文章を読む相手にとっても自然な印象を与えるでしょう。

例文

「秋涼の候」の例文には次のようなものが挙げられます。

  • 謹啓 秋涼の候、皆様にはますますご壮健のことと拝察いたします。
  • 季節もすっかり秋涼の候となり、朝晩と冷え込む時期になりました。皆様にはくれぐれも健康管理にご留意ください。

「秋涼の候」の時期はいつからいつまで?

最後に「秋涼の候」を使う時期はいつからいつまでなのでしょうか。

「秋涼の候」は読んで字のごとく「秋」という漢字が含まれていますので、秋に用いる言葉だと分かります。

ただ「秋」を含んだ季語や時候の言葉は大変種類が多く、どの言葉をどの時期に使えばいいのかは、一般にはなかなか判断がつきません。

もちろん時候のあいさつ用語は、「秋という字があれば秋の間はいつでも使える」といったものではありません。

言葉の成り立ちや意味合いによって、一年を細かく分けた季節ごとに、適切な時期が決まっているものが多いといえます。

こうした季節の言葉は、ビジネスレターや招待、挨拶状などのあらたまった文章では「必須」ともいえるものですので、正しい知識に基づいて、ふさわしい時期に用いるのが、大人社会でのマナーだともいえるでしょう。

使える時期

では「秋涼の候」はいつからいつまで使えるのでしょうか。

上記でご説明した通り、「秋涼」は初秋、ないしは仲秋に用いるのが一般的です。

暦の上での季節分類では、秋は「初秋」、「仲秋」、「晩秋」に分けられます。

現代の暦では通常秋は九月から十一月の三カ月間を示し、初秋は九月、仲秋は十月というのが肌感覚には合っています。

ただ書面などで用いられる時候の言葉などは旧暦(陰暦)に基づくものも多く、その場合は初秋は、二十四節気の一つである、八月初旬の「立秋」から九月初旬の「白露」の前日までを表します。

そして仲秋は「白露」から十月初旬の「寒露」の前日までを示します。

現代の太陽暦とはほぼ一カ月の差異があるわけです。

こうして見てみると、「秋涼の候」は八月初旬から十月いっぱいまでとかなり長い期間に当てはまることになりますが、実際の手紙などでのやり取りでは、やはりお互いが体感する気候の変化を文章に反映することが重要です。

このため「秋涼の候」はおおむね白露以降から、二十四節気の「霜降」(十月二十三日ごろ)あたりまでに使うのが、常識的だといえるでしょう。

逆に、八月前半や十一月以降などは、明らかに言葉とは季節感が乖離していますので、使用は不適当になります。

まとめ

どうでしたでしょうか。

「秋涼の候」の意味と使い方、そして使える時期はいつからいつまでなのでしょうか、詳しくご紹介しました。

秋に使う時候の挨拶ですが、秋ならいつでも使えるというわけではないので注意してくださいね。

使える時期と意味をしっかりと覚えて相手に伝えるようにしましょう。