「秋麗の候」の意味と季語について!時期はいつからいつまで使えるの?

秋晴れ

「秋麗の候」という時候の挨拶があるのをご存知ですか?

「秋麗」という漢字を見ると「秋」という字が使われてるので大体、使う季節や時期の予想はつくと思いますが、どんな意味合いのある表現なのかも気になると思います。

そこで「秋麗の候」の意味と季語、そして使う時期はいつからいつまでなのか詳しく解説したいと思います。

「秋麗の候」の意味は?

まずはじめに「秋麗の候」の意味を見ていきましょう。

季語や時候にまつわる言葉の多彩さは、日本語の大きな特徴の一つともいえます。

一説には数千種類にも上るとされるこれらの言葉は、自然の変化や表情が非常に豊かで、古くから天気が生活の上での極めて重要な要素だった日本人社会の姿を、今に伝えているといえるでしょう。

今回はそうした多くの時候用語の中で、「秋麗の候」を取り上げたいと思います。

「秋麗の候」という語句は、一般には漢語として「しゅうれいのこう」と読むことが多いようです。

ただ、例えば「梅雨」という言葉が「ばいう」、「つゆ」と両方の読み方を持つように、訓読みにする場合もあります。

その場合は「秋麗」を「あきうらら」と読み、「あきうららのこう」となります。

通常は漢語の文章は漢語の単語で統一し、和語では和語で、というのが原則であり、「漢語+和語」と混ぜることはあまり適切とはされませんので、「秋麗」を「あきうらら」と読む場合は「秋麗のみぎり」とする方が自然かもしれません。

さて「秋麗」の「秋」という漢字は、元来は古代日本人が、亀の甲羅を用いて作況を占ったことにちなんでいるとされます。

この亀を捕らえる時期や収穫の頃が秋だったため、この字が四季の秋を示すようになったそうです。

また「麗」という漢字は、「美しい角がそろった雄の鹿」の象形が元になったといわれます。

これが転じて、「麗」という字は「うるわしい」や「連なる」といった意味を示すようになりました。

この字は訓読みでは「麗か(うららか)」とも読まれます。

「うららか」とは、空が晴れて日が柔らかくのどかに照っている様や、声などが晴れ晴れとして楽しそうな様などを表す言葉です。

同じ意味で「うらら」という言い方もあり、有名な「花」という唱歌の歌詞に「春のうららの隅田川」という一節があります。

このように「秋麗」「秋の陽気が晴れ晴れとしてのどかな様子」を示し、爽やかに晴れ渡る秋の日を示す時候の言葉だといえます。

例文

時候のあいさつ用語を使った、あらたまった手紙などの書き出しは、基本的に「頭語+その時期にふさわしい時候の言葉+相手に対する健康や安否を気遣う言葉」という構成になっています。

この原則に従って「秋麗の候」の例文を挙げると、次のようなものが提示できるでしょう。

  • 拝啓 秋麗の候、貴社にはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。
  • 秋麗の候となり、紅葉が目に栄え実り多い季節となりました。皆様には、ますますお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。

「秋麗の候」の季語について

「秋麗の候」は前述のように、秋の晴れ渡った日の、陽光がのどかに差す穏やかな心地よいさまを表現した、時候や季語の言葉です。

これは「春麗ら(はるうらら)」という春の季語を、春と似たような、天高いさわやかな晴れ間が広がることの多い秋にも援用した用語だともいえます。

類似の季語や時候の言葉としては、下記が挙げられます。

  • 秋晴
  • 秋涼
  • 爽秋
  • 清秋
  • 菊花
  • 錦秋
  • 紅葉

いずれも、気温としても過ごしやすく、澄んだ空気や美しい景色など、良い季節としての秋を愛でる季語が「秋麗の候」だといえるでしょう。

「秋麗の候」の時期はいつからいつまで?

最後に「秋麗の候」を使う時期はいつからいつまでなのか見ていきましょう。

「秋麗の候」は、二十四節気の言葉や月の呼び名ではなく、暦の上で厳密にいつからいつまで、と期間が決まっている語句ではありません。

ただ秋が深まる中で、しばしば移ろいながら現れる、突き抜けるような気持ちよい快晴の日を示すのが一般的です。

このため主には「仲秋」とも呼ばれる十月を中心に用いられることが多いといえます。

幅広く考えるとしても、まだ夏の暑さが残り、必ずしも「のどかに心地よい」とはいえない九月上中旬や、朝晩の冷え込みが厳しくなり冬の足音が強まる十一月以降では、用いるのは適切ではありません。

秋の天候は非常に変化しやすいのも特徴ですので、「秋冷」や「秋雨」といった別の表現も比較しながら、最適な言葉を選択するようお勧めします。

まとめ

どうでしたでしょうか。

「秋麗の候」の意味と季語、そして使う時期はいつからいつまでなのか詳しくご紹介しました。

日本には古くから代々使われる趣のある表現方法がたくさんあるということが分かったと思います。

季節に合った時候の挨拶はたくさんあるので使う時期や意味をしっかりと覚えておきましょう。